こども映画学校

こどものみらい映画祭 こども映画学校 映画塾  

「こども映画学校」について

福島県内の“小学校”を対象とした、三日間の映画制作体験学校。
2012 年より始まり、2021 年の現在まで続いています。
制作した作品は例年「福島こどものみらい映画祭」にて上映します。
映画制作を教える講師陣はプロの映画監督、撮影、録音、制作のスタッフです。
「こども映画学校」では以下の流れでこども達は映画制作を学びます。
  • 1

    こども映画学校 2020/A 班
    こどもたちを 10 名程度の班に分け企画やシナリオ作りに取り掛かります。
    学んできたことや、描きたいテーマ、伝えたいメッセージについて議論を交わし、同時に誰がどの役割を担当するかを決めていきます。俳優をするのもこども達です。演出の講師と共にシナリオを作りながら、撮影・録音を担当するこども達は、それぞれの講師から機材の使い方などを学びます。
  • 2

    こども映画学校 2020/C 班
    安全に撮影を進めるためのルールを確認した上で、いよいよ撮影開始です。
    撮影現場では、こどもたちの主体性を重視しつつ、アドバイスをしながら撮影を進めていきます。撮影終了後、講師陣で編集作業を開始します。(編集作業に関しては、専門的な機材の使用法や作業技術などの知識を必要とするため、講師陣で行います。)
  • 3

    こども映画学校 2020/B 班
    こども達と編集した映像を見て、音楽や効果音を付けたり、細かい仕上げの編集作業を行います。アフレコやナレーション録音なども行う場合があります。
  • 4
    編集を終えると、保護者や地域の方を招いて作品の発表会と上映会を開催し、作品の感想や意見の交換を行います。※完成した作品は、記録として保存され地域に残ります。

「こども映画学校」から得られるもの

この取り組みを通して、大きく 3 つの効果が得られることが分かりました。

1 教育(人材育成) 効果

映画制作という行為は、こどもたちの能力を見出す、新たな可能性を持っています。これによって、教育的、人材育成効果が得られると考えられます。例えば、映画制作体験の中で、以下のような力が身につきます。

  • テーマ設定、シナリオ作成を通じ、仲間と議論を交わす「コミュニケーション能力」を高めます。コミュニケーションを積極的にとることは、自己理解や、他者理解を必要とし、物事の本質の理解にも効果を発揮します。

  • 撮影場所を選定することで、地域社会を見つめ直す・理解するきっかけにもなり、「想像力」や「発想力」を養います。

  • 同様に、撮影方法・録音方法を学ぶことで、想像力や発想力を養うと同時に、現場における即時的「対応力」も身につきます。

  • 映画制作は個人作業ではないため、分担された役割の中で自分の役割を理解し、「チームワーク」、「リーダーシップ」の発揮についても体験します。

  • 撮影する上では予定を理解していなくてはなりません。しっかり計画を理解し、さらにそれを実行する「自己管理能力」が求められます。

  • 撮影に必要な道具が全て用意できるとは限りません。代替えできるものがないか、「多様性の理解」と「対応力」が必要になり、「前向きに考える力」を養います。

  • 撮影そのものは「忍耐力」を必要とし、あらゆる情報の理解、選択、処理が求められます。撮影時間も限られており、こども達の「主体的な行動」も欠かすことはできません。

  • 最後に、完成した作品を発表し、評価と改善を話し合う事により、映画製作の過程で学んだ知識や経験をふり返り、今後の活動に生かすことができると考えられます。
これらは、文部科学省の提唱するキャリア教育にて示される 4 つの必要能力、「人間形成・社会形成能力」 「自己理解・自己管理能力」 「課題対応能力」 「キャリアプランニング能力」を包含する内容となっています。
つまり、映画を作るという行為が、教育(人材育成)に効果を発揮すると言えます。
事実、エキストラとして参加していただいた地域の方々や、上映会に来ていただいた保護者の方々から、「こども達に変化が見られた」という意見を多く耳にしました。また、日頃からこども達と接している先生方からも、「新たな一面を発見することができた」「引っ込み思案だったこどもが積極的に発言するようになった」という声も頂きました。
震災後に実施した「こども映画学校」では、海に近づけなかったこども達が、映画を撮影するために、震災後初めて海辺に立ったこともありました。
一方的に教え込むという教育から、新たな才能を発揮する機会を与えるという点でも、この取り組みは多くの可能性を秘めています。

2 地域コミュニティ形成の一助

地域社会を巻き込みながらこの取り組みを実施したことで、地域コミュニティ形成の一助を成すことが出来ました。福島では震災以降、津波被害や原発被害によって、地域コミュニティが崩壊しました。各地へ避難していった家庭も多く、近所付き合いもほとんどなくなり、地域のイベントも全て失われました。
2012 年、いわき市の沿岸部にある小学校で「こども映画学校」を実施しました。この企画は、こどもたちと教師、保護者、地域社会といった人々が繋がることができる交流の場としても効果を発揮しました。「こどもたちと映画を作る」という行為で地域の人々を元気にし、喜んで頂けたことは当初の目標以上の効果でした。

3 地域再生効果

震災から復興するために必要なのは人材です。福島県外の人間が、長期的に 福島の復興に関わることは難しいと感じています。福島の再生には福島から立ち上がる人材を欠かすことができません。「こども映画学校」を通して、こども達が地域社会に目を向け、地域の魅力を発見し、地域を大切に思い、地域社会に根付くことで福島は再生されてゆくと考えられます。「こども映画学校」は、将来的な福島の地域再生をも担っていると言えるのです。
はじめは本当に手探りの状態でした。今でも規模は大きくありませんが、行く先々で言われることは、「うちの兄弟の学年でも開催してほしい」ということです。1 つの学年だけでなく、多くのこども達にこの体験をさせたい。そう願っている保護者の方々、先生方は少なくありません。 それほど「こども映画学校」には、こどもたちの秘めた能力、才能を発揮させる力があります。そして、地域社会の大人たちは、こどもたちの輝く姿や成長してゆく姿に期待を 寄せています。

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